取引時確認と正当権利者確認②
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取引時確認と正当権利者確認② |
取引時確認と正当権利者の違いを確認しよう |

項目 |
取引時確認 |
正当権利者確認 |
実施の 目的 |
・テロリズムに対する資金供与の防止 ・マネーロンダリングの防止 ・架空名義等による不正取引の防止 |
・無権利者への誤払いを防止 ・お客さまの財産の保全 |
法律の 根拠 |
主に 『犯罪による収益の移転防止に関する法律 (犯罪収益移転防止法)』 |
ゆうちょ銀行の規定 ※貯金を預かった銀行の義務を果たすための取り扱い |
実施する基準 |
・貯金の新規預入、振替口座の開設 ・国債等振替口座の開設・国債等の新規購入 (通常貯金が取引時確認済みの場合を除く) ・200万円を超える大口現金取引 (取引時確認未済口座における入出金等) ・10万円を超える送金 (為替証書の振り出し・払い渡し、口座への払い込み、 小切手・払出証書、株式配当金等の払い渡し、 取引時確認未済口座からの送金、 給与預入支給の申し込み等) ・外国への送金、外国からの送金の受領 (取引時確認済口座からの送金および送金の受領を除く) ・疑わしい取引 (窓口等の取引時に疑わしいと判断した場合に限る。 また、取引時確認済である場合を含む) ・取引時確認の基準額以下に故意に分割された取引 |
・50万円以上の払い戻し、または、貸付等の手続き、 貯金等の払い戻し、貸付、国債の買い取り、 振替口座からの払い出し、 払出証書・株式配当金、為替証書、年金等の払い渡し ・上記以外で疑わしい事由がある場合 ・印章変更の届出 ・紛失または盗難による通帳などの再発行請求 ・紛失または盗難の届け出の解除 ・現存照会の請求 ・証拠書写しの請求 ・入出金照会の請求 ・暗証番号照会 ・暗証番号誤回数の消去 ・貯金全払請求書による証書払請求 ・ICカード発行に関する取り扱い ・ICカードの生体認証の抹消 ・カード引き出し上限額および上限回数の変更届等 ・成年後見人制度などの利用代理人の設定、変更、廃止 ・ゆうちょダイレクトのログインパスワードや暗証番号照会、 利用者カードの再発行請求 |
補足 |
犯罪収益移転防止法に基づき、テロ資金の供与やマネー・ロンダリングを防止するため、同法に定められた事項を証明書類により確認し、その記録を作成、保存します。
同法では、法律によって定められた国、地方公共団体、特殊法人、独立行政法人等については団体の取引時確認は不要とされているほか、上場会社についてもその所在は明らかであることから法人の取引時確認は不要とされています。
また、人格なき社団については、公的証明書類が無いことから、来局者を顧客として取引時確認をすることとしています。
しかしながら・・・貯金においては、預入限度額管理を行うため、地方公共団体等についてもその所在を明らかにする必要があります。
また、上場企業、人格なき社団等については、所得税法令の規定により、利子の受け取りについて、登記事項証明書や規約等により法人の所在地、および名称を告知する義務があり、取引時確認が必要です。
つまり・・・取引時確認は犯罪収益移転防止法だけが根拠ではありません。
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無権利者への誤払い等を防止し、預金者の財産を守るために、請求人が正当な権利をもつ人物か確認します。
マニュアル上証明資料での確認が必須ではない手続きの場合も、窓口で疑わしいと判断した際は、証明資料の提示を求めることがあります。
また、50万円以上の払い戻し等の際でも、社員が熟知しているお客さまや全額に近い預け替えの場合、または、名義人本人による払い戻しで暗証番号の照合ができれば(※)、証明資料の提示を受けずに、取り扱いが可能なことがあります。
さらに、100万円を超える払い戻しの際は、払い戻しを行う資金の使途をヒアリングします。(※)
※お客さまには事前に案内しません。 |